こころの展覧会

―――あの家で過ごした時間は、僕にとって必要な時間だった。

「自分」について考えるための時間だった。「自分」とは何か。それを見失っていた僕は、何をしたいのかさえわからなくなっていた。

自分で何かを選ぼうともしなかった。

でも、あの家で過ごす中、自分で考えることをした。自分で考えて、答えを出すことにつとめた。

普段は見えなかった世界が見えてきた気がする。そんな世界にいる自分が見えてきた気がする。

自分を知らなければ、何かを選ぶことも、決めることもできない。

今やっと、自分の位置がわかった気がするから。だから、一歩前に進みたい。
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