こころの展覧会

「白詰め草ねぇ……どういう意味なのかしら」

皐月も考え出したが、答えは出てこなかった。

意味があることだけは、確信があった。ただ、そこに込められた意味だけがわからなかった。



   ☆



謎が解けないまま、数日が過ぎた。藍はその白詰め草を辞書に挟んで平らにし、それを栞にして持ち歩いた。何か大事な意味が隠されてる気がして。

学校の廊下からは、空がよく見えた。ひどく晴れ渡ったその空を、椿姫もどこかで見ているのだろうか。

「落としたよ」

「え?」

言われて振り返ると、クラスメートの女子が栞を拾ってくれていた。
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