こころの展覧会

「粉を入れたら、平らにして、真ん中をちょっとだけへこますの。それで、今沸騰してきたお湯をの温度を、少し冷ましてね」

皐月は説明しながら手順よく進めていく。藍は皐月より説明を受けて、メモを取った。そして、円錐型の器具がドリッパー、ドリッパーの下にセットされてる器具がサーバーだという名称だということを知った。

「一番最初に注ぐお湯はね、軽く乗せるように少しだけ注ぐの」

細口の銀色のポットからは、細く、優しくお湯が注がれていく。全体に行き渡った頃、コーヒーの粉は、膨らみを見せた。その膨らみは、どんどん膨らんでいった。

「すごいですね…カップケーキみたいで、それにすごくいい香りですね」

藍は、膨らんだコーヒーの粉を真剣に見つめた。
初めてコーヒーを淹れるところを見た藍にとっては、すべてが興味津々だった。

「そうね。２回目からは、のをかくようにぐるぐると注ぐのよ。４回くらいで決まったお湯の量になるようにね。お湯の量はサーバーで確認すればわかるから」