こころの展覧会
―――どうして自分は絵を描いている?


僕を理解してくれる人はいない。
僕の価値を理解してくれる人はいない。
そんなの当たり前だ。
僕に価値などないのだから。
なにもない。
空っぽな自分。

僕はなんのためにここにいるんだ?
なにをするためにこここにいるんだ?

すべてわからなくなってしまったから。
何も考えたくなくなってしまったから。

だから、あの時、自分で死を望んだのだ。

「……“わかりません”以外の答えが聞きたいのだ」

そう言った椿姫の声音は、冷たく、鋭い。

「……すいません」

「その言葉も先程聞いたばかりだし、答えになっていない」

「……ほんとに……わからないんです!!!!」

視線をそらしたまま、俯いたままで、藍は声を大きくする。
それと同時に、視界の片隅にあった椿姫の着物の袖を握りしめてしまった。

 

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