こころの展覧会

完成された絵は、深い、深い青い花だった。
下向きで、止むことはない雨に濡れている紫陽花は、泣いているようにも見えた。

その絵を見た木蓮は、
「わかるかい?姫にとって絵は自分自身の心で、存在理由なんだ」
とだけ言って、数秒しかその絵を眺めることはなかった。

悲しみで、心が痛むのに耐えて咲く紫陽花は、太陽の似合わない花。

闇に呑まれ、自己を見失った心の悲鳴。
 

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