こころの展覧会
身体を叩きつけてくる雨。
痛みは感じない。
感じるのは、かき消されることのないざわめきだけ。
うざったい耳障りな説教。
父も先生も毎回同じことを繰り返すだけ。
吐き気がする。
勝手に決められた進路先。行動範囲や、友達関係でさえ制限された。
放課後、同級生たちと遊びに行くことは禁じられている。
まっすぐに家に帰り、小さな部屋で何時間も絵と向き合わされた。
何枚も、何枚も絵を描いた。
強要される描き方。
それは難しく、辛いものでしかない。
どこにいても窮屈で、息苦しい。
何をやっても、うまくいかない。
認められることは、ないんだ。
母も兄も、知らない人のようで、あの家は冷たい。
僕の存在は忘れられていく。
どこにも居場所がない。
居てもいい場所がないんだ。
どうすればいいんだろう。
どこに行けばいいんだろう。
ここにいるのに、ここにはいないみたい。