こころの展覧会
いつもの時間。
7時ぴったり。
朝のコーヒーを持って、椿姫の部屋の障子戸を開けた。
「おはようございます」
「おはよう」
挨拶をした後、2人でコーヒーを飲むのが日課になっていた。
朝のコーヒーの香りは目覚まし効果があり、一日の活力を与えてくれる。
朝以外にも、昼、夜と3回のコーヒータイムをともに過ごすようになり、藍はその時間を気に入っていた。
特に何を話すことはないけれど、ゆったりと和む空気がそこにはあった。
「椿姫さん、朝顔の近くにある白い花なんですけど、何の花ですか?まだ一度も咲いているのを見たことないんです」
言って、藍はカップをソーサーに置いた。
「ああ。夜顔のことか。別名、夜開草。名前の通り、夜に咲き、朝にはしぼんでしまう花だからな」
「朝顔とは逆なんですね」
「綺麗な花だ。一度見てみるといい」
「そうですね。見てみたいです」
椿姫が“綺麗”だと言った花に、藍は興味を持った。何かをあまり誉めたりしない人の言葉だから余計に。
7時ぴったり。
朝のコーヒーを持って、椿姫の部屋の障子戸を開けた。
「おはようございます」
「おはよう」
挨拶をした後、2人でコーヒーを飲むのが日課になっていた。
朝のコーヒーの香りは目覚まし効果があり、一日の活力を与えてくれる。
朝以外にも、昼、夜と3回のコーヒータイムをともに過ごすようになり、藍はその時間を気に入っていた。
特に何を話すことはないけれど、ゆったりと和む空気がそこにはあった。
「椿姫さん、朝顔の近くにある白い花なんですけど、何の花ですか?まだ一度も咲いているのを見たことないんです」
言って、藍はカップをソーサーに置いた。
「ああ。夜顔のことか。別名、夜開草。名前の通り、夜に咲き、朝にはしぼんでしまう花だからな」
「朝顔とは逆なんですね」
「綺麗な花だ。一度見てみるといい」
「そうですね。見てみたいです」
椿姫が“綺麗”だと言った花に、藍は興味を持った。何かをあまり誉めたりしない人の言葉だから余計に。