アタシのこと、スキ?
目を逸らして、

逃げるように歩いてくアタシ。

海の前を通り過ぎた時、

海がアタシの手首をつかんだ。

「オイちょっと待てよ――」

「触らないで!!!」


瑠梨は、瑠梨の手首をつかんでいるオレの手を、

振り放った―――。


その時の瑠梨の瞳は、

少し涙で覆われていた気がしたのは、見間違いだろうか。

「なんでそんな態度とんだよ。瑠梨――」

「気安く名前で呼ばないで!!!」

アタシは海に、こんなひどいことを言ってしまったんだね。




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