アタシのこと、スキ?
瑠梨と視線が重なり、すぐ逸らしたオレ。

そして、小さく作り笑いをした。

あの時笑っていなければ、オレの目の前は、

涙で滲んでいたかもしれない。

どうしてかって、

あの時の瑠梨の瞳が訴えていたのは、

“恐怖”そのものだったから―――。

本当に他人になってしまったんだと、

受け入れたくもない現実を、受け入れた。

他人にしてしまったのはオレだから、

受け入れなければいけなかった。


そしてオレは、

なにもなかったかのように

偽りの自分を作り、教室に戻った。













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