アタシのこと、スキ?
そしてアタシは、先生に気づかれないように静かに走りながら、

屋上に向かう。

階段を駆け上がり、ついにドアの前まできた。

大丈夫。

今日何回そう自分に言い聞かせただろう。

だってまだ、本当は怖いもん。

でも、ここまできたんだから・・・


アタシは、屋上に繋がる扉を、

開けた。


一番最初に見えたのは、

広い広い、青く輝いた空。


「おっ、はえーな」

空から視線を海へと移す。

仰向けにねっころがっている体勢から、

両手を後ろにつき、

上半身を縦にして、

体をアタシの方にひねってそう言う海。

「・・・・・・・・・」

瑠梨は困ったような顔で、その場から動かない。

「なーにしてんだよっ。早くこっち来いよ」

そう呼びかける。

瑠梨は少しずつ、

こっちに向かって歩いてきた。

時々止まっては、オレの目を見て、

笑ったらまた歩き始めた。







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