アタシのこと、スキ?
アタシは無意識の内に、
前見たいに、逃げるように、
屋上と階段とを繋げている扉に向かって走っていた。
「ちょっと待てよ――!!」
海の大きな足音が聞こえる。
追いかけてきてるんだ。
来ないで・・・来ないで・・・!
扉を開けて、階段を駆け下りる。
「キャッッ――!!」
アタシは、階段を踏み外してしまった。
「ってぇーーー。
オイ、大丈夫か?」
全然痛くなかった。
海がアタシをかばってくれていたね。
「あっ・・・・」
すぐ立ち上がろうとしたアタシ。
でも
「いい。このままで」
海がアタシの動きを止める。
「やっと捕まえた」
時間が止まったみたい。
体が動かなくなって、海から、
視線を逸らせずにいた。