アタシのこと、スキ?

そしてそのまま、手を握られながら、上履きのまま、

外に出る二人。

なんか、海と手を繋いでると、

安心っていうか、何懐かしい感じがしたよ。


「ねぇ、

ドコまで行くの?」

また海は、空気のように笑ったね。

「秘密。お楽しみってヤツ?」


そして、オレが連れて来た場所。

それは、前サボった時に来た、あの公園。

「着いたぜ」

「公園・・・・・?」

「あぁ。   あっ、わりぃ」

海は焦って、握っていた手を離した。

「行くか」

アタシを見下ろしながら言う海。

「へっ?」

拍子が抜けたような声を出すアタシ。

公園へ続く階段を、

一段とばしで下りてく海の背中をただ見てたの。

結構長い階段の中間にさしかかった海は、

まだ階段を一段も下りていないアタシに、

「早く来いよ」

と一言だけ言った。


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