アタシのこと、スキ?
海は、アタシの方に体ごと向けて

「こっち見て。

目ぇ見て」

と言った。


瑠梨は、下を向いていた顔を、

ゆっくり上へ、オレの方に向けた。

「よし。

もっかいゆーからな。

からかってなんかない。

信じて。オレを―――。」


その時の海の瞳は、

吸い込まれていってしまいそうな、

優しく、とっても安心する瞳・・・・。

「・・・・・・・・・うそじゃない?」

「うん」

「本当?」

「おう、ホント」

「なら、ありがと―――」

瑠梨は、口を閉じたまま、

久しぶりに、オレの前で、笑った――。

時間に、感謝―――・・・





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