アタシのこと、スキ?

怖い人

この時アタシたちは、

まだ中学二年生だった―――・・・

アタシは、あと二年後の高校生活に憧れを抱いていたの。



「オイ、

そこの、咲多(サイタ)って女ちょっときてくんねー?」

もう春が終わりそうな頃。

廊下で、アタシの隣にいた、親友の愛叶音(アカネ)が、学校では有名な男子に呼び止められた。

愛叶音は、ハイテンションで、明るくて、

茶色の巻き髪、瞳も大きくて、とにかくかわいくて、

学校でも人気がある女の子。

「またじゃ~~ん。モテるねぇ、愛叶音は」

といつもの様にアタシが言うと、

「そーかなぁ?」と、そーでしょ~~という顔でいつもの様に愛叶音は言った。

「じゃ、行ってくるぇぇ~~」

そう言って、愛叶音はその男子の元へ、

駆け足で行った。


いいなぁ・・・。愛叶音はモテて・・・。

アタシはいつも心の中で思っていた。

いつもいつも、愛叶音は男子に呼び止められる。

それがいつもの生活になってしまっていた。

でもそのいつもは、今日で、終わりを告げようとしていた。


「あっ!愛叶音ぇ」

愛叶音は戻って来たとき、手に小さな紙を握っていた。

「もしかしてメアド??それともケーバン・・・・」

すると愛叶音は、アタシの前に、その小さな紙を差し出した。

「・・・・・どーしたの?」

「・・・あんたにだってさ・・・・」

愛叶音は下を向きながらアタシに言った。

いつもの明るい性格が嘘のよう・・・・・・。







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