アタシのこと、スキ?
きっと、今彼氏がいない愛叶音は、

この男子にちょっと期待したのだろう。

「さっきね・・・・・」

愛叶音は、今さっきあったことをアタシに教えた。

「何ぃ?どぅしたのぉ?」

と愛叶音がとびっきりの笑顔で言うと、

「あのさ、コレ」

その男子は愛叶音に紙をポケットから出して、

愛叶音の前に差し出したらしい。

「ん?  ありがっ――」

愛叶音がその紙を受け取って、ありがとうって言おうとしたら、

「來嘉 瑠梨(ライカ ルリ)ってゆー子に渡しといて。

んじゃ」

って言って走っていってしまったらしい。


―來嘉 瑠梨―

アタシは、今年の春にこの学校に転校してきて、黒髪で、でもクセっ毛の、

特にチャームポイントなしで、

どっちかっていうと地味な方・・・・

「だから、コレは瑠梨の。

今、

ってゆーか瑠梨彼氏いたことでしょぉ?すーぐ付き合うのは無理でも、

仲良くしてあげなよぉ~!」

愛叶音は必死の笑顔でアタシに言った。

アタシは小さな紙を受け取って、

ゆっくり開いてみる。


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