アタシのこと、スキ?
でももう、会うことはないと思った。

そして、この近くに住んでいた兄貴が、

オレを迎えに来た。

両親が兄貴に電話したらしい。

追い出したのは自分達のくせに・・・・・・


兄貴は、面倒を見てくれた。

兄貴がいてよかったと思った。

最後に泣いたのは、きっとこの日だろう。

小学校生活は、特に思い出がなく、

時が流れてくだけで終わったみたいだった。

で、兄貴のおかげで、中学に入った。

オレは一人じゃないんだって、はっきり思いたかったから、

ワックスをつけたり、髪も染めてみたりと、

目立つ格好をした。

そしたら、女はたかってきて、

男のダチもできた。

でも女とは付き合おうとは思わなかった。

唯一心を許してるダチも優だけだった。

二年になって、転校生がきたと聞いたので、

少し気になって、どんな子か見に行った。

もう会うことはないと思っていた瑠梨が、

目の前にいた。






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