アタシのこと、スキ?
ガチャ……

「おはよーー」

「はよ」

いつもの朝。いつもの登校。いつもの笑顔……

やっぱりアタシ、幸せ者だね。

「オレな、七こ上の兄貴がいんだ。

今一緒に暮らしてんだけどさ、

今度、お前んこと紹介してぇんだけど」

「?………紹介?なんで?」

「瑠梨ってホントバカだよなー!

彼女だからに決まってんじゃん」

“彼女”……

もう付き合って一ヶ月も経つのに、

まだ慣れてないや……

「………うん!」

瑠梨は、幸せそうに笑って言った。

その笑顔を、ずっと見ていたいと思った。

壊したくないと思うのに、

不安が、だんだん大きくなっていく。

誰かこの込み上げてくる不安を、

消してはくれないだろうか。


< 75 / 105 >

この作品をシェア

pagetop