アタシのこと、スキ？
一方アタシは、

急に不安になった。

そんな人にメアドとケーバンもらっちゃってると。

「瑠梨ぃ、早く教室戻ろう」

愛叶音はそんなことを考えていたアタシの腕を引っ張って

教室に走り出した。

そして、海がいる教室の前を通った時。

ドアの隙間から、教室の中がチラッと見えてわかったことは････

イスに座って、机にひじをついている海のまわりに、

たくさん女の子たちが集まっていたこと――。

そして、一瞬合った視線。

この紙、早く返さなきゃ･･･


「晴音くんっっ！？！？」

その女の子たちの声と同時に、イスが勢いよく動く音。

ドアがすごい音で開いた音。

「―――オイっっ！！」

そんな海の声。

そんなの無かったことにして、そのまま走り続けた。

愛叶音も止まらずに走り続ける。

きっと、アタシが不安を感じていることに、

この手を通じて感じてくれたのかもしれない。

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表紙・目次

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