アタシのこと、スキ?
変なところに負けず嫌いスイッチが入った。

「・・・・・・意地悪」

目を逸らして言った。

「瑠梨さん。度胸ありますねぇー」

声のトーンがなんか違う。

嫌な予感がする。

海のほうに顔を上げると、海はなにかを企んでいるみたいに笑う。

「負けです!アタシの負けです!」

思わず手を前に出しながら負けを認めるアタシ。

「もう遅せぇ」

また海はアタシの顔を覗く。

そんな姿もカッコイイと思ってしまう。

アタシは、海から逃れるため、後ろへ下がっていった。

アタシにとって後ろ。

だから他の人からみたら横だろう。

下がっていくアタシに、同じ速さでついてくる海。

そして、背中が何かに当たった。

それを見て笑う海。

もうこれ以上後ろへ下がれなくなった。

「行き止まりだぜ?そっち」

そんなこと考えてなかった。

「捕まっちゃったねぇ。

でも度胸試しもここまで」




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