アタシのこと、スキ?
リビングでは、お兄さんがお茶を淹れてくれていた。

お茶をテーブルにコトンと置いて、床に座るお兄さん。

親がいないから、お兄さんが働いてるんだよね。

家の中は、ソファーらしきものはなく、床にはじゅうたんがひかれている。

一つベッドが置かれていた。

「海の部屋あるの?」

小声で海に聞く。

「向こうにな」

海は扉を指差す。

じゃあこのベッドではお兄さんが寝てるんだね。

「こんばんわ。おれは礼真。海の兄」

「アタシは來嘉 瑠梨です。今年こっちに引っ越してきて・・・」

「うん知ってる。最初海怖かったでしょ」

お兄さんすごい。なんかすごい。

性格的には海とは正反対っぽいなぁ。

って言ったら海怒るかな。

「ちょっと・・・だけ」

「マジ?怖かった?

ごめんな」

「ううん!今は怖くないよ!」

海が謝るなんて、めったにないから焦っちゃった。

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