アタシのこと、スキ?
“奇跡”かぁ・・・

そうだよね。

海と出逢えたことだって奇跡だよね。

全部、全部、奇跡なんだね―――。



「じゃあもう夜だし、帰りな」

「帰るぞ瑠梨」

「うん」

靴を履いて外に出る。

「おじゃましましたぁ」

「また来てね。海、送ってあげなよ」

「わかってるっつーの」

ちょっとイラつきながら言う海。

「今日は、ありがとうございました。

可菜のことも、よろしくおねがいします」

礼真さんは一瞬驚いたようだったけど、

またニコッて笑った。

「あぁ。可菜と仲良くしてね」

「はい」

そう言って礼真さんはドアを閉めた。




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