十五の夜
日曜日は嫌い
錠剤も嫌い。
小さい時から錠剤を上手く飲み込めなくてパパに潰して飲ませてもらってた。


気持ちの良い明るい日曜日の朝なのに、暗い家の中で虚しくテレビの音だけが鳴り響く。


パパもママもいつから喋らなくなったっけ?


「喉が痛いから薬頂戴」

パパが私に渡してくれた錠剤。

潰してくれなきゃ飲めないよ。

「やっぱり大丈夫みたいだから要らない」
と、言ってやった。

< 13 / 30 >

この作品をシェア

pagetop