危険なヒーロー

ネックレスをもらったあの日から、
もうすぐ一週間がたとうとしていた。

あれから一度も
黒龍省吾とかかわっていない

だけど、
考えない日なんて
一日もなかった

ネックレスを見るたびに
痛いほど苦しくなる

「あたし・・・」

この気持ち

知ってる


「さーゆ先ぱぁーい」
「た、辰哉君!?」

「うぎゃ!!」
辰哉君が後ろから飛びついてきたんで
思わず、「悲鳴」?が漏れた。

「先輩、何その悲鳴?
 色気ゼロだね・・・・・」

こいつ、
また嫌味言いにきたのか。

「つーかさぁ、さゆ先輩

 兄貴に告んないワケ?」

「え」

「だって、先輩
 好きなんでしょ?

     兄貴のこと」


「好、き?」

そう口にした瞬間、
全てが
あたしの中で

かみ合ったきがした


ずっと
ずっと前から
この気持ちに気づいてた

でも、
あたしは
目をそらしていたんだ


だって、
認めたくなかった

あたしが

不良を好きになって
しまったなんて










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