危険なヒーロー
けど、もう遅い

歯車はどんどん狂い始めた。

この時から、

少しずつ、

少しずつ・・・・







   *   *   *


彰悟と別れてから、5分ほどたった。
もうすぐ家につく。

今日は、夢ちゃんと何して遊ぼうかなー。
絵本でも読んであげようかなー?

そんなことを考えていた
ときだった。






「さ、ゆ?」






後ろから、名前を呼ばれて振り返る。



「っー・・・・・」



一瞬、激しい錯覚にでも襲われたかのように
あたしは、その光景を疑った。
状況を飲み込めない。


呼吸が、苦しい。
だめだ、

だって、そこにいたのは



もう二度と見ることのないと
思っていた。


もう二度とこうして向かい合うことなんて
ないと思っていた。


懐かしい顔
懐かしい声

あたしの中で、何度も記憶が
フラッシュバックする。


ずっと、
ずっと、


大好きだった人



「ミツキ・・・・」

「さゆ・・・」



なにかが大きく変わる


そんな予感がした。



















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