危険なヒーロー
しかも、あたしの手をしっかり掴んでる
この男に・・・・

あたしは、わけがわからず
ただその光景をぼうぜんと見つめていた。
もしかして、
この人たち知り合い・・・?

彰悟と呼ばれた男は、平然としていて
けれども、どこか怒っているようにも見えた。


「あの、おれら、その人が彰悟さんの

か、彼女だとしらなくて、あの、その」


不良たちは、一生懸命に謝っている。
そんなに彰悟さんって怖いのかな。
・・・・ん?
そういえば、今あたしのこと彼女って!!
「ちがっ、あたしたちは!!」
今さら否定しようとしたが、

不良たちはさっさと一礼して帰ってしまった。
まあ、
なにはともあれ助かった。
いや、彰悟さんが助けてくれたんだ。


「行っちゃったね」

彰悟さんはため息交じりにそう言って、
やっとあたしの手を離した。

ていうか、この人何者!?
なんで頭下げられてんの?
なんで、
あたしのこと
助けてくれたの?

「ねぇ、あんた」
「え、はぃ」

あ、目が あった。
ー綺麗な瞳・・・
やっぱり、この人会ったことある・・・

って、自分!!違うでしょ!!

「宮野さゆ・・・だよね。あんた」
「そ、そうですけど」

なんで名前しってんだ、この人。

「俺、黒龍 彰悟(こくりゅう しょうご)」

黒龍・・・?


頭の中で「黒龍」の二文字がぐるぐると
回転する。

黒、龍


「あ、」
あー!!
黒龍 彰悟・・・・
思い出した。

ウチの学校で、一番強い奴。




あたしが大嫌いな



「不良」だ






















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