ヘタレ船長と二人の女海賊
通りを歩いて船に戻る途中。

「ねぇラカム」

アンが話しかけてくる。

「さっき酒場で噂を聞いたんだけど…今ニュープロビデンスに、大型帆船が入港しているそうよ」

「ほぅ?」

肩で風を切りながら、俺は耳を傾ける。

「ガレオン船みたい。いい船で…結構な金品を積んでるって話よ」

アンが魅力的な瞳で目配せしてきた。

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