ヘタレ船長と二人の女海賊
船、仲間、お宝、地位、名声。

海賊として、俺は欲しいものを全て手に入れていた。

これ以上望むのは分不相応なんじゃないかってくらいの、出来すぎた成り上がりぶり。

一度は所属していた海賊団の船長を失い、成り行きで船長に祭り上げられ、小型スループでチマチマ漁船から略奪するしかなかった俺が、今では巨大ガレオン船に乗った海賊一味の船長。

『キャラコ・ジャック』の名はバハマ中に轟く。

海賊として、一つの頂点を極めた。

俺はガレオン船の先端に立ち、恐らくは支配下に置いたのであろう大海原を悠然と眺めていた。

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