ヘタレ船長と二人の女海賊
ガレオン船強奪から二ヶ月が過ぎた、1720年10月。

「船長!ラカム船長!」

船長室でノンビリ昼寝していた俺の元に、船員が駆け込んでくる。

「何だようるせぇな…俺ぁ昨夜アンにせがまれて、あんまり寝てねぇんだ…」

顔に被せていたキャラコの帽子を被り直し、俺は船員の方を見て。

「…!」

その表情から、緊急事態である事を素早く悟る。

「どうした?」

「総督府からの追っ手だ!武装船が2隻、俺達を追ってきやがった!」

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