ヘタレ船長と二人の女海賊
即座にラカム一味も戦闘配置につく。

砲門をバレット率いる武装船二隻に向ける。

が。

「くそっ!速ぇっ!」

船員の一人が唸った。

総督直属の海兵が操舵する二隻の武装船は相当な訓練を積んでいるらしく、海上を右に左に蛇行して、こちらの砲撃を掻い潜る。

百戦錬磨のラカム海賊団だが、流石に統率のとれた海兵の舵捌きには敵わなかった。

それに敵の武装船はこちらのガレオン船よりも小型。

かつて俺達が使用していた小型スループ船と同じ理屈だ。

小回りが利き、スピードが出る。

こちらのガレオン船では動きを捉える事ができなかった。

< 131 / 161 >

この作品をシェア

pagetop