ヘタレ船長と二人の女海賊
だが。

「ここで戦わないでどうするの!」

メアリも叫ぶ。

「今は悪知恵働かせる時じゃないわ!全力で抵抗する時でしょ!ここで逃げたら、船も、お宝も…ラカム一味のプライドまで奪われるのよ!」

知るか!

プライドが何だ!

お宝が何だ!

俺は心底ビビッてた。

海兵達に攻め込まれ、完全に混乱し、冷静さを欠いていた。

アンとメアリが船長である俺を信頼し、指示を待っているというのに。

『真の海賊』である俺なら、この窮地も何とかしてくれると信じているのに。

…俺は…ケツをまくっちまったんだ…。

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