ヘタレ船長と二人の女海賊
「それにお前の舵捌き、咄嗟の判断力、全て船長としても必要な要素だとは思わないか?」

思わないか?なんて言われてもな…。

俺は自慢のキャラコ(白木綿)の帽子をとり、頭を掻き毟った。

俺ぁこの船でも若輩者の海賊だ。

海賊なんて名乗っちゃいるが、戦になっても戦闘に参加なんてした事ぁないし、生まれてこの方、人を傷つけた事もねぇ。

どうも乱暴事は苦手でな…。

それに腕っぷしも強くねぇんだ。

こんな奴が海賊船の船長なんて柄じゃねぇ。

俺ぁ責任の伴う役職はしたかぁねぇんだ…。

< 14 / 161 >

この作品をシェア

pagetop