ヘタレ船長と二人の女海賊
長くこんな場所にいると、どんなに海で名を上げた海賊でさえ覇気をなくしちまう。

一ヶ月も経つ頃、俺はすっかり痩せこけて、野望にぎらついていた眼からも、光はなくなっていた。

そんな日々が続いた、1720年11月16日。

随分待たされて、やっとラカム一味への判決が下った。

船長ジョン・ラカムと、その手下全員に有罪判決。

ま、当然の結果だった。

特赦を与えた相手に裏切られ、また海賊行為を働いていたんだ。

ウッズ・ロジャースがそんな海賊を許す筈がねぇ。

きっと、どうあっても有罪にする為に裁判官に根回ししたんだろう。

総督であるロジャースには、そのくらいの権力はあった。

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