ヘタレ船長と二人の女海賊
「ラカム…」

お互い手枷を付けられ、海兵に連行される途中。

その僅かな時間に、俺達は立ち止まって言葉を交わす。

「アン…」

俺は、何て言っていいのかわからなくて…とにかく彼女の名を呼ぶ。

だが。

「……」

アンは俯き、力なく首を振った。

もう何を語っても遅い。

そう言いたげに。

ただ…。

「一つだけ言いたいわ、ラカム」

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