ヘタレ船長と二人の女海賊
そんな時ほど、時間の流れは早いもんだ。

1720年11月19日。

ジャマイカ、スパニッシュタウン。

広場には大勢の見物人が集まっていた。

バハマの海を荒らしまわった海賊、ジョン・ラカムの死に様を一目見ようと集まってきた悪趣味な連中だ。

「さぁ、上がれ」

後ろ手に縛られたまま、俺は絞首台へと上がっていく。

…眺めがいいもんだな、この絞首台って奴は。

広場全体が遠くまで見渡せる。

これから処刑されようっていうのに、そんな呑気な事を考えていた。

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