ヘタレ船長と二人の女海賊
首に縄をかけられたまま、俺は正面を向かされる。

…後ろからは、かつてのラカム一味の仲間達も見守っている。

俺の後に、彼らもこの絞首台に立つんだ。

アンも、メアリも、しみったれ顔で俺を見つめていた。

「……」

言葉はなかった。

ただ、心の中で呟く。

すまねぇな、みんな。

俺みたいなヘタレ船長のせいで、こんなヒデェ死に様さらす事になっちまった。

でもな…。

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