ヘタレ船長と二人の女海賊
俺の爆弾発言から数日後。

バハマの沖合いに小船が浮かんでいた。

大して珍しくもない漁船。

木造で、乗ってるのも漁師の爺さん二人。

網を引き寄せ、捕らえた魚をのんびり引き揚げている。

そんな漁船に。

「動くんじゃねぇぜ?」

俺は素早く乗り移り、爺さんのこめかみに銃を突きつけた。

フリントロック式(火打ち石で発射する仕掛け)のピストルを握り締め、俺はニヤリと笑う。

幾ら戦闘が苦手な俺でも、爺さん脅すくらいなら訳もねぇ。

その間に他の船員達も、次々と飛び移り、漁船から金目のものをごっそりと奪い取って積み込んでいった。

…新しい俺達の船…高速スループに。

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