ヘタレ船長と二人の女海賊
特に小さな商船は狙い目だった。

海賊は好んで高額の品物を運んでいる大型の商船を狙いそうなもんだが、実はそういう商船の方が難しい。

当然積荷が高価な分、大型商船は用心棒を雇っている事が多いのだ。

総督直属の兵士や、街で雇った用心棒など。

こいつらは海賊に負けず劣らず腕が立つ。

下手すればこっちの方が大きな損害を受け、お宝は手に入らねぇわ怪我させられるわで散々な場合もある。

その点、小型の商船はいい。

積荷はそれほど大した物を積んでない。

こんな船、海賊だって狙いやしない…と勝手にタカをくくり、護衛もつけずに海の真ん中をプカプカ浮かんでやがる。

俺に言わせれば、こいつらの方がよっぽと狙い目だった。

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