ヘタレ船長と二人の女海賊
いいね…悪くない。

俺はその女に魅力を感じていた。

ただの美人ってだけじゃなく、適度に悪女ってのがいい。

小悪魔的とでもいうんだろうか。

どこか翻弄されるような魅力を持ってる女の方が、俺は好みだった。

「で、あんたは?」

女の指が、俺の服の襟に触れる。

自慢のキャラコの帽子と服。

俺はそこいらにいるむさ苦しいだけの荒くれ男と違う。

この時代、インドからもたらされたばかりの新しい素材キャラコを好んで着用していた俺は、相当な伊達者として知られていた。

自慢じゃないが、女にも不自由はしていなかった。


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