ヘタレ船長と二人の女海賊
酒場に響く銃声。

銃口より立ち昇る硝煙。

その硝煙を、フッと吹き、女は笑みを浮かべた。

「あら、なかなか似合うじゃない」

そう言った視線の先には、女の発砲によって頭部の真ん中だけ頭髪を削ぎ落とされた、間抜けなヘアスタイルの男が立っていた。

ちょうど頭に一本のハゲのラインが走った形だ。

みっともない事この上ない。

が、それよりも特筆すべきは女のピストル捌き。

男に血の一滴も流させずにあんな真似するたぁ、コイツは相当な腕前だ。

「……」

男は惨めな頭のまま、ワナワナと震える。

…小首を傾げ、可愛らしく微笑む女。

その仕草が、余計に男の怒りに油を注いだ。



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