ヘタレ船長と二人の女海賊
女の方に気を取られ、背後ががら空きだったのが幸いした。

俺の一撃で頭をぶん殴られた男は、そのまま気絶して倒れる。

「ふぅ…」

俺は溜息をつく。

こういう荒事は得意じゃねぇから緊張したぜ…。

何とかその場がおさまり、俺は女の方を見る。

と同時に。

「!?!?!?!?」

俺は女にしがみつかれ、熱烈なキスの歓迎を受けた。

「私の為に力を貸してくれたのねラカム!ありがとう!」

「お、おぅ…」

呼吸困難になりそうなほどのキスと抱擁に、俺は頭がクラクラする。

どうやらこの女、相当に情熱的な性格らしい。

俺が助太刀した事により感極まった女の情熱にほだされ、このまま二人がベッドで一夜を共にしたのは、当然の成り行きと言えた…。

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