ヘタレ船長と二人の女海賊
確かに、ロジャースの前で海賊からは足を洗うと宣言した。

だが現実に、海賊稼業で稼いだ金は底を尽きかけている。

多分俺の仲間達も同じだろう。

またあれだけの金を短期間で手に入れようと思ったら、海賊を再開するのが一番手っ取り早い。

「もしかして、また海に出るの?海賊やるの?」

裸なのも気にせず、女はシーツを跳ね飛ばして身を起こす。

「…そうだな…」

危険も付き纏うが、自由気ままでスリルに溢れた海賊稼業。

お縄になるのが嫌で一度は足を洗ったものの、俺はまたあの海の魅力に惹かれていた。

< 57 / 161 >

この作品をシェア

pagetop