ヘタレ船長と二人の女海賊
「じゃあさラカム!私も海に連れてってよ!」

女が突然そんな事を言い出した。

「何言ってやがる。お前は女だろうが」

服を着て、キャラコの帽子を被って、俺は振り向いた。

海賊の掟で、女は仲間に入れちゃあならねえ。

海賊は男の稼業。

誰が決めたのか知らないが、そんな掟があった。

「いいじゃない、そんなの。女が駄目ならさ」

女はベッドから降り、いつの間に持ち込んでいたのか、部屋の隅に置いてあったバッグから服を引きずり出した。

男物の服。

少し大きめのそれを身に纏う。

「ほら、こうやって男装すればわかりっこないでしょ?」

「……」

どっからどう見ても、男物の服着た女にしか見えないけどな…。

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