ヘタレ船長と二人の女海賊
頼もしいアンの発言と共に、船は大海原を行く。

風は軟風。

波も穏やか。

操舵も難なくこなせる。

雲もなく、視界も良好。

遠くの水平線まで見渡せる。

俺達が狙うような大型商船の姿も、たやすく視認できた。

「船長、あれはどうだ?」

船員が指差す。

西インド諸島の海域。

一隻の帆船が、波間をゆっくりと航行していた。

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