ヘタレ船長と二人の女海賊
仲間達は、帆船に積んであった酒と食料で宴を開いている。

俺はというと、程よく酔っ払って甲板をフラフラ歩いていた。

片手にはワインの瓶。

それをラッパ飲みしながら、夜空の月を見上げる。

…実に気分がいい。

特に略奪が上手くいった時の酒は格別だ。

つくづく俺は、海賊稼業が向いているらしい。

のんびりと甲板を歩く。

と。

「ほら、坊や。こっち向いてごらん」

ある船室から声が聞こえた。

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