ヘタレ船長と二人の女海賊
アンの奴め…俺という男がありながら、どうも美形にゃ目がないらしい。

あの野郎…あとでキツイお仕置きしてやらなきゃな。

そう思いつつ、俺は船室から目を離せない。

近づく優男とアンの唇。

その唇がもう少しで重なろうとした、その時。

「勘違いしないで」

優男の方がアンを押し退けた。

こいつは意外な展開だ。

男なら、アンの美貌と誘惑に勝てる奴なんかいねぇと思っていたのに…あの優男、随分と変わり者だな。

そう思っていたら。

「私は女同士でキスする趣味なんてないよ」

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