ヘタレ船長と二人の女海賊
「おーおー、精が出るねぇ」

俺は船のマストにもたれ掛かって、甲板上で船員達の指導をするメアリに言う。

「あら、ラカムも参加する?船長が手下に戦闘で負けたらかっこ悪いでしょ?」

意地の悪い笑みを浮かべるメアリ。

真っ平御免だ。

俺は戦闘なんて向いていないし、強くなろうとも思っていない。

俺は戦略を練り、実際に動くのは船員達に任せる。

女にもかかわらず、アンやメアリを一味に加えたのは、彼女達の戦闘の腕を買っての事なのだ。

わざわざ俺が強くなる必要はねぇってもんだ。

「それに痛いのは嫌だしな…」

「つくづくヘタレねぇ…」

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