ヘタレ船長と二人の女海賊
「決闘だ!」

船員の方が物騒な事を怒鳴った。

「このクソガキ、調子に乗りやがって!白黒はっきりつけてやる!」

それに対し。

「いいですよ!勝負を受けます!」

売り言葉に買い言葉、青年も受けて立った。

…所詮は海賊。

荒くれ者だ。

仲間同士でも、揉め事があれば決闘で決着をつけるというのは、俺達の稼業では珍しくなかった。

「明日の朝にはアジトに着く。そしたら朝一番で決闘だ!それでいいな?」

船員が言い、青年も力強く頷く。

「いいですよね?船長」

青年が俺の顔を見る。

「ん…まぁ…な」

俺は止める理由もなく、渋々了承するしかなかった。

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