ヘタレ船長と二人の女海賊
日がすっかり沈む頃には、突風と共に雷雨になっていた。

海特有の、突然の嵐。

船員達は皆船室にこもり、カードをしたり早目に就寝したりしている。

俺もまた、船長室でランプの灯りで読書を楽しんでいた。

時折強く船長室の壁を叩く雨音。

その音に混じって。

「…!…!!…!…」

人の声のようなものが聞こえてきた。

聞き間違いかと思ったが、そうでもなさそうだ。

甲板に、誰かいる?

こんな嵐の夜なのに?

気になった俺は、船長室のドアを開けて甲板の方を覗いてみた。

< 94 / 161 >

この作品をシェア

pagetop