てるてる坊主の恋

――てるてる坊主が恋を応援してくれる。



二階にある美術室の窓際に好きな人の名前を入れたてるてる坊主を吊るすと、その恋が叶うらしい。


いったい誰が言い始めたのか知らないけれど、きっと毎日降りやまない雨に嫌気が差した人間が、暇つぶしに考え出したんだと思う。


（あほらしい）

そんな根拠のないモノを信じるなんて、あほらしい。


だけど、

おまじないも、そう捨てたもんじゃないのかも。









てるてる坊主、てる坊主。

あーしたてんきにしておくれー！




＜終＞