てるてる坊主の恋
「なに、その顔。超怖いんですけどぉー」

「なっ!」

「んな睨むなって。可愛い顔が台無しだぞ」

「うるさい!!」

「はい、そう怒らなーい」

「っ、」

「ほら、部活行くぞ」



「早くしろ」と急かすコイツのことを「好きだ」と自覚したのはいつだったろう。




一見ひょろりと細長いのに、近づけば分かる。
無駄な肉をそぎ落としたスポーツマン特有の体つき。

その逞しい腕に抱きしめられたいと思ったのは、その背中に抱きつきたいと思ったのは、その躯に欲情するようになったのは、



―…いったいいつからだろう?



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